私は父の顔を知らない。 父の声を知らない。父の手の大きさや温かさ、 腕のたくましさ、背中の広さなど知る由もない。
父親に命じられるまま、坂東に下ってきた源義朝(みなもとの よしとも)。はまゆうが咲く浜辺で、1人の少女と出会う……。